乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第8話 勇者になるか改造人間になるか~ハズレなしのくじの、ハズレの概念がわからない~

こんにちは。

 

数日前

お尻の穴に

白光りする

ロケットのような

ミサイルのようなものを

挿入し

なくてはならないものになり

限界がくるたびに求めるようになった

 

そして今日

陰部一帯を切り抜かれたパンツを穿かされ

数人の男にM字開脚の格好をさせられ

陰部の先からゼリー状のものを入れられ

カメラで中を見られた

 

母さん

僕、健一は

40歳、春にして、新しい世界に足を踏み入れてしまったようです。

 

ご興味ございましたら、先へどうぞ。

 

竜王とショッカー

腎臓に管を入れる

腎臓に管を入れる?

ドユコト?

 

ハテナと不安しかない状況で

指示された扉の前で待つ。

 

何も装備せず

ラスボスと戦う感じ

ただ、この数日間で相当経験値は積んでる。

人生経験も豊富な方だと思う。

レベルは低くないだろう。

装備はなくとも、そう簡単には負けない自信はある

 

またもベテランご年配タイプの看護師さんが扉から顔を出し

「中林さん、どうぞ」

と中に案内される。

 

上部にモニターが付いた施術台。

施術室とガラスで隔たれた向こう側にパソコンやモニターが並び

数人の人たちが何か準備をしている。

 

戦いに来た。

ではなく

捕らえられ

実験、または拷問される。

という感覚の方が近いことに気づく。

 

なんてこった。

 

どうせなら、仮面ライダーにしてもらえることを祈るしかない。

 

実験準備

上下ともパジャマのような服に着替えさせられ

血圧を測る。

 

施術台にうつぶせで寝る

お腹の下に四角いクッションのようなものをはさみ

胸の部分に枕を抱きかかえる感じの体勢だ。

 

先ほど膀胱鏡室でお会いした先生方が現れ

背中部分のパジャマを上までまくり

腰あたり、腎臓部分が切り抜かれた紙みたいなものを背中に貼り付ける。

 

背中側で施術が行われるため

あくまで僕の推測であり、たぶんなのだが

腎臓部分をレントゲンやエコーのように映しだし

先生はそれを見ながら管を入れる

ズームや角度、反転や撮影などは、

施術室の指示に合わせて、ガラスの向こう側からコントロールする。

そんな感じだと思う。

 

地獄へようこそ

背中に麻酔の注射を打たれる。

麻痺したところで、たぶん、皮膚を切られる。

そこから管?を中に入れる。

あくまで、推測だが。

 

ここからが問題だった。

 

麻酔は、あくまで表面、皮膚部分の麻酔であって

内臓部はとんでもなく痛い

内部の映像を映し出すために、造影剤ってやつを流しこまれるのだが

それだけでも痛い。

そこに腎臓内部に到達するまで、管を何度も突っ込まれていく。

何度も突っ込まれるたびに、腎臓に溜まっていた尿が噴出する。

 

「ここ痛いですよ、頑張って」

「ぐぉぉぁぁぉぁぉぁーーーー!!!!、、、、」

「もう一回いきますよ、頑張って」

「ぐぁぁぁぁぁぉぉぉぉぉぉぉーーー!、、、、」

 

「ま、ま、まだっすか、、、ぐぉ、、まだっすか?」

「あと、、3回くらい、頑張って」

「さ、3回、、、かよ、、マジか、、くそ、くそ、、、」

「いきますよ、頑張って」

「ぐあああぁぁおぉおおーーーー!!!、、、」

 

地獄でした。

 

えぇ、はい。

 

膀胱鏡の痛さなんて、蚊に刺された程度でした。

間違いなく、人生で一番痛かった

なんだろ、外傷ではない、経験したことのない内部の痛み

 

「せ、先生達はこれ経験したことあるんすか?」

「ないですね」

 

膀胱鏡の時のように、捨てゼリフのタイミング

先生方も、この流れまたきた!って思ったであろう

 

「こ、これは、やめたほうがいいす、、スゲェい、痛いから、」

 

セリフ捨てられなかったー!!!

逆に拾い行ったー!!

 

ぼろ雑巾のように体力を消耗した僕は

車椅子に乗せられ

部屋に戻りました。

 

仮面ライダーになるどころか

なんだか背中から管が出て、尿が溜まるバックが付いただけでした。

 

敵に弱点バレバレになってもうてるやん。

 

つづく