乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第3話 「無職のおじさん」っていうフレーズだけで、どこでも泣ける。もはや名優である。

こんにちは

 

春夏秋冬といえば

 

もちろん

 

泉谷しげるー!

 

でーすーがー

 

1番好きな季節はー?

 

といえば

 

僕は

圧倒的に

 

そう

 

あたし

 

夏男!!

 

冬もイベントたくさんあるし

昔はスノボーよく行ってたから好きだったんだけど

 

子供達がいると

12月、1月と金かかる

おじさんになると

寒いのに弱くなる

 

昔ほど楽しくないかな、と

 

春が1番好きっていう人も結構いるよね

気温的にちょうど良いし

 

僕は高校生の時に

突然、花粉症になりまして

元々鼻炎持ちなのに、さらに鼻水ダラダラ

目痒いを通り越して、お岩さんみたいに腫れる

 

おかげで

春はぶっちぎりで1番嫌い

 

そして秋

 

夏が終わる寂しさがなんともいえない季節ですけど

気温的には悪くない

 

しかーし!!

 

今年、突然の花粉症発動

 

ブタクサだと思うんだけど

 

去年まで症状出なかったのに、、

 

入院が長かったから、免疫力が低下したのか、抗がん剤とかの影響が関係あるのか

理由は全くわからないけど

 

とにかく辛い

 

やべぇ

そうなると

 

夏だけじゃん

 

よし、そのうち

一年中、夏だけの国に移住しよう

 

目指せ

リッチになって

シンガポール

 

 

無職ですけど!!

 

 

はじまります

 

 

インディジョーンズ

 

10月28日(月)

 

癌になったおかげで

変に賢くなるというか

年金や健康保険、福祉制度など

少しでも出費を抑えるために調べてみると

色々とできることはあるもんで

 

面倒くさいからいいやっていうレベルじゃないくらい

出費は抑えられるわけで

 

まぁ、この日は

そういう関係で必要な書類を取りに

ハローワークに行こうかと

 

しかし、実家からだと2時間近くかかるわけですよ

 

また大冒険かぃ

 

このペースだと

ぶっちゃけ

トムクルーズ越えちゃうよ

 

となると

インディジョーンズだな

 

よし

 

途中でムチ買って

ロッコに乗って行こう

 

 

 

突然、彼からメールが来た

 

そう、いつもの彼だ

vs-cancer.hatenablog.com

 

彼は僕より2歳年下だが

見た目がお父さんみたいだから「パパ」と呼んでる

どこかで書いた気がするのだが

忘れたので、ここでもう一度書いておこう

 

パパはLINEというものをしていない

SNSもしていない、見ることもしない

 

彼からの連絡手段は

電話かショートメールだ

 

さらにショートメールは

いつの日からか

どちらが決めたわけでもなく

お互い全文カタカナで送る、という

謎のルールになっている

 

そんなパパからメールがきた

 

大人の駆け引き

 

 

「パチンコイコウゼ」

 

まるでポケベル時代の不良の文章じゃあないか

 

彼は昨日の競馬で10万以上勝った

 

それを踏まえ

このシンプルな短い文章の中に隠された内容を

僕は全て読み取ることができる

 

「中林さんの退院祝いに、パチンコ代は俺が出すから一緒に遊ぼうぜ

で、飲み行こうぜ」

 

内容はこうだ

間違いない

 

僕からの返事はもちろん

 

オーケー

 

なぜなら僕にデメリットはない

 

じゃあ、ついでにハローワークまで付き合え

 

交渉成立だ

 

 

勝負

 

少し早めに待ち合わせたため

軽くウォームアップでパチスロ

 

パパ勝ち

僕負け

 

まぁまぁ、あくまでウォームアップ

 

ハローワークに行って用事を済まし

 

昔、僕がバンドメンバーと住んでいた町に移動し

パチンコを打つ

僕にとって昔ホームだった場所

負けるわけがない

 

パパ勝ち

僕負け

 

、、、おふぅ、、、

 

おーい、神様ーーー

あなたに僕は見えてますかーーー

 

まぁまぁ、パパが勝ったし、、、

 

勝利の美酒を浴びに行こうじゃあないか!!

 

パパが僕を見る目が

待ち合わせをした時よりも、明らかに冷たくなっている気がするし

時折、こっちを見て舌打ちしている

 

あたし

世間からどんなに冷たくされても、絶対負けないんだから!!

 

そう自分を奮い立たせ

 

いざ、近くの焼き鳥屋へ!!

 

 

八王子

 

ひととおり飲んで

 

僕は次の日

決まっている外来とは別件で

病院に行こうかと思っており

 

今、飲んでる場所といい

これから実家まで帰って

明日また病院まで行くとなると

これまたハードだなー

漫喫にでも泊まるかなー

 

なんて

そんな話をしながら駅に向かっていると

 

「よし、じゃあ今から八王子に行こう!!」

突然、パパが言い出し

 

「え?なんで?」

 

「そしたら一石二鳥じゃん」

 

彼の謎の自信につられ電車に乗る

 

「なんで八王子なん?」

電車の中で聞いてみる

 

「だって俺、八王子から帰った方が早いし、中林さんも明日新宿行くのに楽じゃん」

 

、、、?

「いや、八王子方面て、、、新宿からどんどん遠くなってるんですけど」

 

「え?そうなの!?」

 

時すでに遅し

電車は着々と八王子に向かっている

 

「、、、わかった、中林さんのビジネスホテル代を出してやる!」

パパが言った

 

「んー、、それはありがたいかもな、、、」

「じゃあ、予約していいか?」

 

スマホで検索する

今日は平日だ

思ったよりたくさんヒットする

 

「よし!予約完了!!」

 

「2名1室、ツインルームで予約しといたから!」

 

「、、、、え?、、、、なんで?」

 

汚れた眼鏡の向こうで、目をパチパチさせながら僕を見ている

 

「ホテル代出してやるから、自分だけ平和に帰ろうなんて 、考えが甘いんじゃぁぁぁーーーー!!!」

「ちょっと金持ってるからって、見下してんじゃねぇぞオラーー!!!」

 

完全に負け犬の言い分である

ちなみに、僕の方が年上であり、数ヶ月前まで雇い主だった身だ

 

なんとも情けない光景ではないか

100人中100人が、こんな大人になりたくないと思う光景である

 

 

 「安心しろ、格安のビジネスホテルを選んだ。料金的には1人分と変わらん!」

 

もはや中年の逆ギレでしかないセリフだ

 

 

無職の汚いおじさん2人

週末明けの八王子

完全アウェー状態で

朝までコースが決定した

 

つづく