乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第2話 あるのにない。ないのにある。当たり前の概念が邪魔をする感覚。

こんにちは。

 

世間は令和で盛り上がる。

僕は癌でひねくれる。

 

かと思いきや

 

ひねくれてなーい!!

 

そんなんしょうがなーい!!

 

あたし負けない

自信満々

 

だってしょうがないじゃない。

 

なっちゃったもんはしょうがない。

 

西新宿の乱れたおっさん VS 傾奇者の膀胱癌

 

おうおう

やってやろうじゃねぇか。

 

かかってこいバーロー

酒持って来いバーロー

 

前回のつづきはじまります。

 

2度目の入院

5月10日

2度目の入院をした。

 

前回2週間入院してたこともあり

看護師さん達とも仲良くなりはじめ

もはや、おかえりなさいという空気だった。

と、僕は勝手に思っている

 

この連休は色んな意味でリフレッシュできた。

実家でのんびりして

子供達と遊んで

地元の友達と飲んだ。

 

昨日は、ちょっと飲みすぎたが。

 

今回の入院の目的は2つ

腫瘍の細胞診検査手術。

右腎臓の管の太さを拡張、太くする。同時に、左腎臓にも管を通す。

 

それぞれ、来週の月曜日と金曜日に行われる予定で

退院予定日は、再来週の月曜日になっている

 

今日は金曜日

のんびりいこうじゃないか。

 

その晩、熱が出た。

 

絶飲食

土曜日の朝には38度オーバーになっていた。

たぶん、連休中に遊び過ぎた反動、単なる風邪。

土、日と、外出許可をもらっていたのだが、取り消された。

 

なんてこった。

ラーメン食いたかったのに。

 

月曜手術の予定は変わらなかった。

日曜の夜から、絶飲食となり、月曜朝に便が出るよう下剤も飲んだ。

検査手術とはいえ、手術も初体験でドキドキだった。

緊張からか、なかなか寝付け、、、、気づくと朝だった。

 

朝から飲めず食えずというのが辛い。

もちろん食事は出てこないのだが、飲み物には反射的に手が出そうになる。

昨日飲んだ下剤は効かず、便は出てない。

 

そうこうしてるうちに名前を呼ばれた。

 

初手術

僕は目が悪い。

非常に悪い。

裸眼だと、ほとんど見えないに等しい。

ドラマや映画の世界でしか見たことのない、手術室ってものを見れると思って

楽しみにしていたのだが、結局、最初から最後まで全然見えなかった

 

手術は下半身麻酔のみ

簡単に言えば、

ち○この先から、なんやかんや突っ込み、

膀胱にある腫瘍の細胞をちょこっと採取し、止血して終了。

正味1時間かからないくらいの手術だった。

 

下半身麻酔

いろんな意味で衝撃だった。

胸から下全てが自分のものではなくなる感覚。

悪く言えば、ただ邪魔な物体がくっついてる感覚。

 

様々な理由で、下半身が麻痺し、車椅子生活を送っている人たちの感覚。

気持ちとまで言うとおこがましい、あくまで感覚に触れる程度だが

どれだけ大変なことか、と思った。

 

手術中はもちろん、足の向きを変えられ、持ち上げられ、

身体ごとストレッチャーに移動させられ、

感覚はない。しかし、そこにある

感覚はない、なのにひっかかって邪魔をする。

ないのにある感覚。

 

すごい勉強になった。

僕の今後の人生で、何の役に立つのかと言われたらわからない。

 

素晴らしいという表現が正しいのかわからないが

なんてこった!こんな素晴らしい経験ができるなんて!

心からそう思った。

 

手術が終わり、病室に運ばれた僕は

まだ感覚のない下半身の感覚を忘れないように

さすったり、軽く叩いたり、上半身だけ動かしてみたりした。

 

この時はまさか今晩が寝れない夜になるとは思わなかった。

 

つづく。