乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第6話 令和の神風特攻隊~日本国万歳なんて言うわけないだろバカヤロウ~

こんにちは。

 

人生で経験した

痛かったこと

TOP3

なんて、そんなものがあったとしたら

 

ここ1ヶ月で激動の入れ替わりを見せているわけで

 

先日観た映画で

わき腹をナイフで刺されて苦しむシーンがございまして

 

今までだったら

普通に観流していたはずなんですけど

 

腎臓の管とリンクしちゃって

一緒に苦しくなっちゃって

別に泣くシーンじゃないのに

 

「痛いよねぇ~わかるよぉ~」

 

と勝手に感情移入し

ポロポロ泣いてました

 

わき腹を刺されるシーンで感情移入して泣く。

 

そんなことってあります?

 

その後の話はじまります。

 

水も滴るなんとやら

「中林さーん、大丈夫すかー?」

「次いけますー?」

 

「はぁ、はぁ、、ちょ、ちょと、、ちょっとまっ、、」

 

「無理なら別の日にしますー?」

その分、来週月曜の退院予定が先に延びちゃいますけどー

 

うちの子供達の姿が頭に浮かぶ

 

「い、いや、や、やる、やらな、きゃ、、、ちょ、ちょとだけ、まって」

「くそ、、、くそ、、やる、、やらなきゃ、、くそ、、」

 

ホントこんなやりとりをした。

 

背中はえぐられたようにズキンズキン痛い

汗はまだまだ止まることを知らず

ポタポタと滴り続けている。

 

「や、やろう、やろう、、、、やんなきゃ、、、よし、よし、、」

 

「大丈夫ですかー?じゃあやりますかー?」

 

「よし、、よし、、、い、いこう、、やろう、、」

 

「じゃあやりましょう!」

 

服従

「じゃあー特別にー、痛み止めの点滴しながらやりますか。中林さん、痛みに弱いみたいなんで。」

 

言われたい放題

 

こいつ絶対ドSなんだろうな。くそ。

そう思ったが、口に出せる状態ではなく

放心状態のまま点滴をされる。

 

「じゃあいきますよー」

 

数分前と同じ体勢になる。

違うのは、左背中側、先生達がさっきと逆サイドに移ったくらいだ。

 

カミカゼ

背中に注射を打つ。

地獄の扉が少しづつ開かれる。

飛び出してくる悪魔達を警戒する。

身体がこわばる。

逃げる準備をする。

 

違う

 

こっちからも行け。

突っ込め。

 

痛いのは承知の上

受け入れろ

タオル咥えて、うなり声上げながら突撃しろ。

トッコウシロ

 

終戦

そりゃ痛いよ

痛かったに決まってるじゃん

 

でも

右の拡張よりはマシだった。

正直

痛み止めの点滴は全く意味なかった

右の背中のえぐられたような痛みは

いっこうに和らぐことすらなかった。

 

先生が、できるだけ痛くないように

早く終わらせようとしてくれてるのがわかった。

ただのドSじゃないやん。

ちょっと気使ってくれてるやん。

 

終わった。

 

身体中から汗が噴出して

風呂上りかと思うほどビショビショで

ラクラして

施術台に座ることすら大変だった。

 

病室に戻るため

車椅子のお迎えが来た。

看護師さん2人に支えられないと

施術台から車椅子に移動することすらできなかった

 

生還

車椅子の両脇に

血まみれの袋をぶら下げ

生気を失い帰ってきた息子を見て

母親はどう思っただろうか。

 

前回、似たような状況を経験している妻は

またもや同じような状態で帰ってきた旦那を見て

慣れるものなのだろうか。

 

そんなことどうでもいいか

 

ただただ背中がズキンズキン痛かった。

痛みで眠ることはできなそうだけど

せめて横になって静かにしていたかった。

 

これ、来週の月曜に退院できるのか?

 

嫌な予感てものほど

よく当たるもんだ。

 

つづく。