乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第5話 痛いの痛いのぉー、、飛んでけーー!!、、、、、、、、、、、飛んでくか!!

こんにちは。

 

研修医はバカが多い

 

というか常識知らずが多い

 

医者になった時点で偉いと思っちゃうのかな

 

たしかに偉いとは思う

医者になるためにたくさん勉強したんだろう

周りが遊んでる中、いろいろと我慢したんだろう

 

でも、その「偉い」と

傲慢な態度をとることは全く違う

人から尊敬される「偉さ」とは全く違う

 

警察にしても

教員にしても

医者にしても

システムの問題なのか

 

高校から大学、大学院や警察学校

基本的には、学校を卒業してからそのまま就職がほとんどだと思う

 

社会経験不足過ぎて

社会の常識がちょっとズレちゃうんだろうな

 

卒業したら、研修として

飲食でも販売でも、接客業の仕事を1年間

とかにすればいい

 

警察も先生も、医者も、どんな仕事よりも人と向き合わなきゃいけないんだから

接客というか対人のスキルは、最低限必須だと思う

 

見下す「偉さ」ではなく

歩み寄る「偉さ」

それがわかれば自然と仕事に対する姿勢も変わってくると思うんだけどな

 

僕?

 

僕は偉いっていうか、、、

 

もはや神っていうか、、、

 

おい!おまえら!頭が高いぞバカヤロー!

全くバカばっかだな!

 

はじまります

 

半日

 

17階泌尿器科フロアのナースステーション前

観察室という病室に運ばれた

 

病室には妻がいて

今、何時か尋ねた

 

「21時だよ」

 

、、、21時!?

、、、マジか、、、

 

手術が始まったのが、たぶん9時くらいだと思う

 

12時間かかったってことか、、、

 

「マジかー! 12時間ぶっ通しって、ここはブラック企業かー!!」

 

なんて言える元気があるはずもなく

仮に元気があったとしても、そんなつまんないことは言うはずもなく

 

また意識は飛んだ

 

激痛

 

激痛で目が覚めた

 

へその下、下腹部っていうのか

裂けてるんじゃないかっていうくらい痛い

 

痛みからなのか

乾燥してるだけなのか

口の中はカラカラ

鼻から入った管が喉の奥にくっつき

ここも地味に痛い

 

妻の姿はなく

病室は真っ暗で

何時なのか全くわからない

 

看護師さんがしてくれたのであろう

左手に握らされてるナースコールのボタンを押した

 

麻酔が完全に切れたのか

身体の感覚がなんとなくわかる

 

鼻に管が入って

酸素マスクして

背中やちん○ん、お腹からは複数の管が出てて

足にエコノミー症候群予防の機械が付いてる

 

硬膜外麻酔のチューブが切れたことを思い出した

 

怒りよりも絶望感がグルグル回る

 

くそぉー!いてぇ、、、いてぇ、、、

 

ボクサー

 

看護師が来て

麻酔科医が術前説明で言ってた

vs-cancer.hatenablog.com

 

もうひとつの強い痛み止め

PCAポンプってやつだろう

 

裸眼でよく見えないが

点滴にぶら下がってる袋から

スイッチみたいなのをだして

カチッと押す

 

喉がカラカラなことも伝える

鼻の管のせいなのか、乾いてるせいなのか

うまく喋れない

 

まだ飲水はできないから、口に含むだけね」

 

そうだった、、、

手術前の説明で言ってたっけ、、、

 

看護師さんに手伝ってもらい

水を口に含み、容器に出す

 

ボクシングのコーナーで見るやつだ

早く井上尚弥vsドネアが観たい

 

ほんの少し口の中に残った冷たい水滴が喉に流れる

それだけで少し生き返った

 

時間の感覚がまったくわからないが

たぶん10分ほどで痛みが少しやわらいだ気がして

また落ちた

 

魔の無限ループ突入

 

激痛で目が覚める

喉もカラカラ

 

いてぇ、、、いてぇ、、、

 

病室は真っ暗

さっき落ちてからどれくらい時間が経ったのか全くわからない

 

看護師さんを呼ぶ

カチッ

水を含んで出す

 

落ちる

 

激痛で目が覚める

喉カラカラ

 

看護師さんを呼ぶ

水含んで出す

カチッ

 

落ちる

 

、、、何回繰り返しただろう

 

窓から入ってくる光で朝が来たことを知った。

 

不自由

 

日が昇ったからといって何も変わらず

 

激痛にうなされる

 

管だらけ傷だらけのお腹を押さえるわけにもいかず

激痛で身体をよじったり動かすこともできず

 

痛いのに動けず仰向けをキープせざるをえない状況が一番辛い

 

相変わらず喉も渇く

 

しかし飲水はできない

 

口に含んだ時に、飲み込みたい感情を我慢するのも

なかなか辛い

 

口に含み

飲むのを我慢して

出す

 

口に含み

飲み込みたいのを我慢してー

吐き出す!

 

、、、なんかやらしい!!

ねぇねぇ!なんかやらしくない!?

 

やぁーだぁー!もう!

 

でくのぼう

 

病室までレントゲンの機械を運んでくれて

部屋でレントゲンを撮った

 

問題はその後だった

 

手術翌日から歩行訓練を始めるっていうのは聞いていた

 

、、、できるのか?

 

看護師さん2人がかりで支えてもらいながら

少しづつ少しづつ

ゆっくりゆっくり

起き上がる

、、、いてぇ、、、いてぇ、、、

 

ベッドの外に足を出してもらって

ゆっくりゆっくり

立ち上がってみる

、、、いてぇ、、、

 

突然、気持ち悪くなり嗚咽した

 

立ち上がれただけ良しとして

歩行は明日ということになった

 

明日か、、、

 

自分が情けなくなった

 

つづく