乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第17話 信用って、したくない、やりたくないけど、やった方が良いであろうことをしてきた数で決まるのではないか説

こんにちは

 

ラーメン

餃子

焼肉に焼き鳥

たこ焼き

お好み焼

ステーキにハンバーグ

カレーやハヤシライス

しゃぶしゃぶ

寿司

ピザにミートソーススパゲティ

フライドチキンと唐揚げは、意味的に一緒か?

 

挙げていくとキリがないので

この辺にしておくが

 

僕は好き嫌いというものがない

むしろ

好きなもの、食べたいものがたくさんある

 

だから

いつも美味しい物を食べたい

 

僕に対して

そう思ってる人は多い

 

ひとつ言いたいのは

 

自分1人の時の飯は

 

本当にどうでもいいってことだ

 

ずっとカレーはもちろん

牛丼だって

カップラーメンだって

なんなら

大げさに言えば

白いご飯だけ

とか

食パンだけ

だっていい

 

1人ぼっちで食べるご飯に

全く興味も執着もない

 

そこには

 

生きるために

食べなければならない

 

という事実だけだろう

 

お酒もそうだ

 

お酒は大好きだが

 

1人で飲む酒なんて

なんだっていい

 

そこには

 

酔えれば良い

 

っていう事実があるだけ

 

僕が店をやっている時

火金だけ来てくれる

常連のおじさんが言っていた

 

「重要なのは

 

誰と飲んで食べるか

 

ってことや」

 

 

まさにそのとおりだと思います

 

はじまります

 

 

情けない男

 

2月18日(火)

 

ふぅ、、、

 

さすがに

もう慣れたと言った方が良いのだろう

 

案の定

この日も

眠れなかった

 

もはや驚くことでもなくなってしまったし

理由もわかった

 

ただただ勝手に

不安やプレッシャーに潰されそうになってる

 

で、寝れない

 

それだけのことなんだと思う

 

らしくないし

情けない

 

朝方

温かいものでも食べれば寝れるんじゃないか、という

またも甘い考えで

カップラーメンを食べてみたが

寝れるはずもなく

 

この1年弱で何も学んでねぇな

クヨクヨグチグチと朝を迎えた

 

 

血小板

 

フロアは違うとはいえ

今までどおり

朝6時に採血される

 

今日の抗がん剤投与は

この結果しだい

 

朝ご飯を食べ

ウトウトしてるところに

担当の先生が来た

 

結果から言えば

 

血小板の数値は

過去最大に減少していた

 

もちろん

抗がん剤投与は無理だ

 

 

なんてこった、、

 

 

術後、3クール3週間づつにわたって

投与される予定だった抗がん剤

これで全て

3週間目は投与できなかったことになる

 

それで大丈夫なのか?

と確認する僕に

 

担当の先生は

あくまで主治医ではないのだが

 

「明日の朝、もう一度採血して、もし回復してたら抗がん剤しましょう」

 

ということになった

 

くそ

なんとも自分の身体が情けないぜ、、

 

 

ラストチャンス

 

2月19日(水)

 

泣いても笑っても

今日がラストチャンス

 

したくないけど

した方が良いだろう

 

やりたくないけど

やっといた方が良いだろう

 

確信はない

 

確信はないんだけど

 

そんな気分になる時は

誰しもあるんじゃないか

 

僕にとっては

今がその究極形で

 

できることなら

投与して

この約1年を終わらせたい

 

いつも人と違うことを考えたり言ったりして

周りを困らせてきたけど

 

今回ばっかしは

同意してくれるんじゃないかと思う

 

 

いつもどおり

 

9時前くらいか

 

どこからともなく

 

「なんでまだ入院させてんの?どー考えても無駄じゃん」

「中林さんに申し訳ないでしょ、わかってる?」

 

廊下から

明らかに僕の主治医が担当チームの先生、部下に言ってる声が聞こえてきた

今さらだが、僕の主治医は声がデカいし特徴的だから

だいぶ遠くで喋っていてもスグわかる

 

しかも

聞こえてくる感じ的に

大体は予測はついた

 

「中林さーん、おはようございますー」

 

「おはようございますー、相変わらず声デカイっすね、なんとなくわかっちゃったし」

 

「すいません、じゃあ結果から言うと、たかだか1日であの数値が回復するわけないんですよ、なのにこいつが訳わかんないこと言っちゃったみたいで」

 

「ですよね、なんとなくはわかってたんですけど、僕も申し訳ないです」

 

「いやいや、中林さんはまっっったく悪くないんで、全部こいつが悪いんですけど」

 

若い担当医はボロクソ言われ

ひきつった笑みを浮かべている

 

でも

最初会った新人の時に比べたら

スゲェ成長したよ

vs-cancer.hatenablog.com

 

あの時は

こいつひっぱたいてやろうかと本気で思ってたけど

 

「で、中林さん、抗がん剤できないなら、このまま入院してても意味なくないすか?」

 

「いや、そりゃそうでしょ」

 

「ホントは、今、退院申請出しても、退院できるのは2日後なんですよ。

ですけど、ホント今日も申し訳ないんですけど、なんとか明日の朝退院できるようにするので、それでいいすか?」

 

「お前、このフロアの看護師長さんに土下座して、中林さんの明日退院お願いしてこい!」

 

聞く人が聞いたら

見る人が見たら

雑な、というか

横暴な主治医だと思うかもしれないですけど

 

僕は

この先生だから

自分の今があると

心から思っています。

 

つづく