乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第5話 アウェーおじさん2人 vs ホームおばさん2人 ~相手がおばさんという時点で勝てる気がしない~

こんにちは

 

無駄話が続いてしまっている

今日この頃

 

世間では

おっさんずラブなんてものも流行ってますし

もう少々お付き合いくださいませ

 

まぁ、僕達の方は

「おっさんがデブ」ですけども!

 

やべぇ、、

ちょーおもしれぇ、、、

 

しかし、あのドラマ、うちの家族が好きで

何回か観たことあるんですけど

 

おっさん吉田鋼太郎だけじゃねぇか

 

そんなんズルいよ

 

美女同士のレズ

イケメン同士のホモ

 

これはもはや芸術ですから

 

主演の田中圭くん

おっさんずラブ」と「あなたの番です」で

ドッカーンって感じだったなぁ

 

「あなたの番です」も、うちの家族が好きで

これは僕もハマッた

 

まぁ、僕に対して言えば

 

「あなたは癌です」なんですけども!

 

やべぇ、、、

思ったより笑えねぇ、、、

 

はじまります

 

 

オンリーワン

 

さっきのが世間でいう

八王子ラーメン」の正しい味なのか?

 

正直イマイチだったけども

 

なんて話しながら

ホテルの場所を確認し

 

近くで軽く飲むか、と

 

せっかく八王子に来たんだ

八王子にしかない店を探そう

 

 

ホテル裏手にそこはあった

 

 

スナック?小料理屋?

 

ビジュアルは合格だ

 

間違いなく

ここにしかないだろう

 

しかし、、、

 

営業してるのか、、、?

 

店先で考えること2秒、、、

 

ガラガラ!!

「いらっしゃーい!」

 

入り口の引き戸が突然開き

50代半ばくらいか?

ママであろう女性と、常連さんであろう女性が顔を出す

 

まさかの、店内からの先制攻撃

 

「どーぞどーぞーーー」

 

これは行くしかない、、のか

 

2人 vs 2人 + 1匹

 

入って右手にカウンター

左手は小上がり座敷になっていて、4人がけテーブルが2つ

常連さんと思われる女性と

その横に、なぜかミニチュアダックスが大人しく座り

壁側にはフォークギターが3本、無造作に置かれている

 

元々は、寿司屋とか蕎麦屋だったのだろうか

そうだとしても、昭和の話だろう

外見もそうだったが、店内を見ても、相当年季が入っている

 

カウンター入り口側の天井角にテレビがあり

カラオケ使用になっているのだが

この店の造り的には

音漏れどころか

ほぼ路上ライブ状態になるのは間違いない

 

くそ、この昭和カオスな雰囲気

嫌いじゃないぜ、、、

 

おじさん2人vsおばさん2人+1匹

 

醜い交流戦のゴングが鳴り響いた

 

黒霧島とギャンブルと

 

黒霧島のボトルを入れ

 

序盤から、お互いジャブの応酬を繰り広げる

 

常連さんは他の店のママで

休日の今日は、パチンコで勝ったついでに来たらしい

競馬と株も好きで、根っからのギャンブラーだという

 

それならこちらも負けちゃいない

パパを前線に送り出す

 

この昭和カオスの雰囲気で

焼酎を飲みながら

ギャンブラーvsギャンブラーの

ダメな会話

 

なんて泥試合なんだ、、、

 

たまらないぜ、、、

 

ミニチュアダックスは、ここのママの愛犬で

座敷はいつもの定位置

 

「犬が嫌いな人は、うちの店はダメみたい」

 

そりゃそうだ

 

ニコニコしながらそう話す

ここのママは、どうやら天然らしい

 

占い

 

「何か食べる?」

 

「いや、食べてきたんで大丈夫です」

 

目の前に出されたお通しくらいは

食べないと失礼だと思うのだが

そこにすら箸が進まないくらい

お腹は空いてない

 

「何もおつまみ頼まないのも悪いんで、この、、占いしてもらってもいいですか?」

 

突然、パパが壁の張り紙を指しながらママに言った

 

「占い1回 1,000円」

 

張り紙にはそう書いてある

 

「彼、病気なんで、今後とか占ってもらえたら」

 

おいおい、俺に振りやがった

俺からすれば、実家暮らし38歳フリーターのデブ眼鏡の未来の方が心配だわ

 

占い定番の

生年月日、名前などを聞かれ

 

ママはおもむろにカウンターから出て

小上がりに置いてあるバッグから本を取り出した

 

「えーと、1978年は、、、」

 

老眼鏡と思われる眼鏡をかけ

本をパラパラとめくり始める

 

、、、!?

 

「1978年あった、、、えーと7月、、、」

 

、、、!?

 

、、、違うじゃん、、、なんか違うじゃん、、、

 

「パパ、、、あれ、、、本じゃね?」

 

「占いの本、、、見てるだけじゃね?」

 

我慢できず、つい口に出してしまった僕に焦り

パパは

「わかる」

という顔で僕を見て

ママと常連さんに聞かれてないか窺う

 

常連さんはホロ酔いで

ママは老眼鏡で本を読むのに一生懸命で

こちらの言動に全く気づいていない

 

「あった、、、えーと、、、」

「病気はーー今年は大変だね、、、、来年以降の方が良いね、、、」

「仕事は、、、あ、同じで、、来年以降の方が良いね、、、」

 

、、、

、、、、

 

でしょうね!!!

 

まさかの、占いの本という裏技を使ってまで占ってもらった結果が

まさかの、アバウト過ぎる結果、、、

 

「じゃあ、ついでに隣の彼も占ってあげる」

 

僕はトイレに立った

 

ボトルキープ

 

常連のママも帰り

 

フォークギターで、藤井フミヤの「TRUE LOVE」を弾かされ

なぜかそれに合わせてママも弾き

謎のツインフォークギター状態に合わせてパパが歌い

 

よくわからない満足感の中

 

お会計をし

 

ボトルキープをした

 

、、、また来るのであろうか、、、

 

帰り際

「明日にでも食べなさい」と

ラップにくるんだカレーピラフを2つもらった

 

店を出て

ホテルに向かう

 

「いくらだった?」

 

奢ってもらったとはいえ、気になって聞いてみた

 

「、、、9000円くらいかな、、」

 

「!?、、、たかっ!!」

 

普通のスナックで考えれば

気にならない額なのだが

 

黒霧島のボトルセットは3000円で

それしか飲んでない

 

席代、サービス料を考えても、ちと高い、、、

 

「占い代、、、しっかり2人分取られたな、、、」

 

「たぶん、、、カレーピラフ代も取られたと思う、、、」

 

雨がぱらつき始めた

 

 

汚いおじさん2人の物語は

もう少し続きそうだ、、、

 

つづく