乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

第2話 ミサイル発射します~初体験の場所は朝のトイレでした~

こんにちは。

 

夢だった自分の店を持って半年目

4月9日

僕は立てないくらいの腰痛に襲われ

近くの内科に行った。

 

先生から告げられたのは

 

右の腎臓に水が溜まってるということと

膀胱にモヤがかかっているということ

近いうちに泌尿器科を受診した方が良いということだった。

 

今回はその後のお話。

はじまります

 

4月9日火曜日

平日のディナータイムは比較的のんびりしている

17時半から来店するお客様は、知り合い以外ほとんどいない。

周りはオフィス街で、残業している人が多く

20時以降に来店される方がほとんどだ。

 

そのおかげで最初の頃

20時半頃まで、誰1人として来店せず

仕込みしながらも「やべぇー、今日終わったわー」

なんて気を抜いてると

突然、21時頃に満席になってアタフタしたりした。

 

予約でいっぱいの日や貸切の日くらいしか

ディナータイムを2人体制で回すことは基本的にないのだが

この日は

突然の痛みと、もし病院が長引いた時のために

アルバイトを呼んでおいた。

 

こういう日に限って、本当に暇なのはなぜだろう

 

4月10日水曜日そして座薬

朝、腎臓の痛みで目が覚めた

といっても、それまでの時間もトイレで何度も起きていた。

 

時計を見るとアラームが鳴る30分前

 

コウイウノムカツクノヨネ

 

んー痛い

 

どうするか、、

 

そうだ、座薬に挑戦してみよう。

 

処方された袋を開けると

銀色の、なんだかロケットみたいな形したのが入ってる。

こいつか、、、

 

オカアサン、ソウゾウイジョウ二オオキイヨ

コワイヨ

アタラシイセカイヘヨウコソ

 

40のおっさんが、部屋で1人、ケツの穴を広げるのを想像して

急激にテンションが下がり

トイレで挑戦することにした。

 

ズボンとパンツを下ろし

まずは便座に座り

その状態からお尻を浮かす

 

ロケットを銀色のパッケージから取り出す

白いボディのそいつは

スペースシャトルよりも先端が尖っており

ロケットというよりミサイルのようだった。

 

モクヒョウヲセッテイシテクダサイ

 

モクヒョウカクニン

コウモン

 

ケツノアナサクセンカイシシマス

 

発射。

 

うふぁぁぁぁ、、

40のおっさんから、なんとも言えない声が漏れた。

 

店に向かって歩いているとき

少し大人になった気がして

険しい顔で通勤していく人達全員とハイタッチしたい気分だった。

 

4月11日木曜日①

昨日のディナータイムもアルバイトの子に手伝ってもらった。

 

ミサイルの扱いにも馴れ

昨日のランチ後閉店間際

そして今朝も目標に合せ発射した。

いっぱしの軍人気取りだった。

 

今日、木曜日の夜常連さんが来るし

明日の金曜日の夜予約でいっぱいになってる。

泌尿器科へは土曜日の午前中に行くことにしていたので

万が一に備え

今日の夜も2人体制にした。

 

本当は明日、金曜日の夜もアルバイトが欲しかったのだが

あいにく明日はアルバイトが誰も出れず

ランチタイムから僕1人で回すことになっていた。

 

金曜日はランチタイムも忙しいが、ディナータイムも忙しい。

 

なにより、常連さんや知り合いの時は朝まで営業するので

週末は気合を入れて臨まないといけなかった。

特に明日は早い時間から予約で満席。

知り合いも常連さんも来るので、朝まで営業確定だった。

まさに稼ぎ時だし、楽しみだった。

 

4月11日木曜日②

この日、ランチタイムを終え休憩していると

腎臓の痛みが襲ってきた。

ミサイルの準備を、と思ったが

弾数を数えてみると3つしかなかった。

しかし、どんどん痛みが増してくる。

迷ってる暇はなかった

 

ハッシャシマス

 

明日、朝まで営業することを考えると

どう考えても足りない

18時くらいまでアルバイトにまかせて

座薬をもらいに行くことにした。

 

先日行った内科は木曜午後休診だった。

 

何件か薬局を回ってみたが、処方された薬、

座薬の鎮痛剤はどこにも置いてなかった。

どうしようか考えながら一度自宅に帰り

少し仮眠し、店に戻った

 

案の定、いつもどおり常連さんが来店してくださっていて

忙しいとまではいかなかったが

ほのぼのとディナータイムは過ぎていった。

 

ミサイル

残り2つ

 

つづく