第3話 手の平を太陽に～人という字を3回書いて飲み込んだことある人いる？それ、、意味なくね？～
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こんにちは
僕ね、テレビのニュースが嫌いなんですよ
暗いニュースばっか
リアルに起きてることだし
なんだかんだ、人って他人の不幸や暗い話に興味あるし
掘り下げればメディアの視聴率やお金が絡んでるんだろうけど
少なからず
テレビを観て
あれくらいの罪で済むんだ、とか
自分だったらもっとうまくやれる、とか
模倣犯や、それに近い人ってのは確実に存在すると思うんだよな
虐待とか自殺、殺人とか横領とか
犯行には及んでないけど、精神的に追い込まれてる人が
テレビを観て
あぁ、自分と同じ悩みを抱えてる人がいるんだなって
いけないこと、というより
同類との共感、安心っていう思考に流れてしまって
そこから結果、同じことを引き起こしてしまう
そういう人たちもいると思う
小さいことでいいから
良いニュースを流した方が絶対にいい
電車で席を譲ったとか
募金したとか
そんなニュースでもいい
こんなことでニュースになるんだ
テレビに出れるんだ
褒められるんだ
って、良い意味での模倣犯は確実に現れると思う
今はネット社会で、ニュースも自分で選べる時代だ
暗い、不幸なニュースを見たいのなら
見たいやつだけが見れば良いと思う。
ひたすら
良いニュースを流す
そんなニュース番組があってもいいじゃないか
行動しない善者より、行動する偽善者
結果、良い事に結びつくのなら
僕はそれでいいと思う
マジメなこと書かれると惚れちゃうって？
僕はいつだって
マ
ジ
メ
さ☆
はじまります
開戦
麻酔科説明の時に来た待合室で妻と別れ
そこから自動ドアを2つ通ると
パーテーションで簡易的？に作られた小さな待合室があり
そこでは数名の患者さんがそれぞれ、担当の手術看護師や医師、麻酔科医と挨拶を交わしていた。
ここにいる人たち全員手術か
一人ひとり握手してハグしたい気分だった
お互い頑張りましょう
終わったら飲み行きましょうと
医師、麻酔科医、手術看護師は手術着の色が違う
赤が医師、青が麻酔科医、緑が手術看護師、、、だったと思う
僕のところにも担当の人たちが来て、簡単な挨拶を交わした。
そして一息つく間もなく
手術室へ案内される
ここまで付き添ってくれた看護師さんが
「大丈夫だよ、頑張って」と言ってくれた。
声をかけてくれるだけで笑顔を作る理由になった。
ありがたい。
自排尿型新膀胱造設術
前に軽く説明したが
手術の流れはたぶんこんな感じだろう
全身麻酔する
お腹回りに6箇所ほど穴を開け
その穴にダヴィンチのアーム？を入れて作業する
最終的には開腹し、膀胱と前立腺、リンパ節と精嚢、尿管尿道の一部を摘出し
小腸で作った膀胱の代わり(新膀胱)を尿管尿道とつなげ閉腹する
開腹してみないとわからないこともあるらしく
新膀胱造設が困難な場合
切った小腸を尿管とつなげ、尿排泄のためにお腹から外に出し、そこに袋(ストーマ)を装着する、回腸導管造設術に移行する
こんな感じか
なんにせよ
複雑な手術には違いないってことだ
おやすみなさい
手術室に入ると
5～7人くらいの人たちが準備していた
目が悪くて良かったと思う
視界がぼやけてるおかげで余計なものが目に入らない
全裸で手術台に寝かされ
なぜか点滴の針を抜かれ
左手の甲に新たな針を刺された
なんで？
しかも地味に痛いし！
次は横向きになり
背中に表面麻酔の注射を打たれ
硬膜外麻酔のための管を背骨沿いに入れられる
これは痛いというか、凄く気持ち悪い感覚だ
チャラ先生ではない
担当の先生が来て
「とうとうこの日がきましたね」
「さすがの中林さんでも緊張しますか？」
と聞いてきた
「そりゃ緊張するわ！！、、、つっても寝てるだけだけど！」
「なにより、術後の痛みが怖いわぁーー」
「中林さんも緊張するんですね」
、、、ねぇねぇ、今まで俺をどういう目で見てたの！？
「術後の痛みはなんとも言えないですけど、まぁ、硬膜外麻酔使うんでね
思ってるほどではないと思いますけど」
「心からそれを祈る！！」
全身麻酔の点滴が入れられる
このあたりから記憶があやふやだが
突然気持ち悪くなり嘔吐して
そのあと酸素マスクをつけられたあたりで
完全に記憶は途絶えた
つづく
