乱あんど癌

色んな意味で乱れたおっさんと、突然現れた派手な膀胱癌。RUN&GUN 速攻。常に攻守交替。先生、バスケもしたいし、あんなことやこんなこともしたいです。

最終話 君のゆく道は はてしなく遠い だのになぜ 歯を食いしばり

こんにちは

 

どうやら僕には

良く言えば

放浪癖

悪く言えば

逃げ癖

があって

 

最初に発動したのは

高校3年の時だと思う

 

晩飯を食べている時に

親父と口論になり

目の前の食器をぶちまけ

自分の貯金箱から小銭を一掴みし

単車で出て行った

 

友達の家に行ったけど

そこのお父さんにも怒られ

追い出され

 

晩御飯の途中で出てきたもんだから

お腹減って

持ってきた小銭数えたら

500円弱しかなくて

 

とりあえずサンドイッチとおにぎり買って

 

その時唯一の救いだったのは

ガソリンだけは満タンで

 

そこからは友達の家を転々と

 

真冬だったんだけど

小学校だっけな、の非常階段で

ダンボールにくるまって寝た夜もあった

 

いきなり単車の調子が悪くなって

押しながら、一晩かけて山を越えた日もあった

 

家出して10日目くらいだったと思う

友達の家で高熱を出して

 

友達の親が、車で病院連れてってくれるって言うから

安心して寝てしまって

 

目が覚めたら自分の家の前で

 

玄関先で母親が泣いていたのを覚えている

 

ちゃんと謝ることもできずに

自分の部屋に行って倒れこんだ

 

これは

20年以上前の話なのに

いまだに

いろんな人達に迷惑をかけて心配されている

 

 

僕は

色々と自業自得だ

 

しっかりしなきゃな

 

はじまります

 

 

君のゆく道は

 

去年の4月

 

僕への癌宣告は

 

診察室に入って5分

という

 

玄関開けたら2分でご飯♬

的なスタートだった

vs-cancer.hatenablog.com

 

 

今思えば

あの時は

あまりにスピーディー過ぎて

癌というショックに

脳が追い付いてなかったな

 

だって

 

先生がチャラ過ぎて

ちょっと面白かったし

 

ありゃー

モテるね絶対

 

普通にカッコいいし

面白いし

良い声してるし

 

で、医者で

さらに仕事がデキる

 

この日から僕の主治医として

本当にお世話になって

 

同年9月に

12時間に及ぶ

膀胱全摘出および新膀胱造設の手術が終わった直後の

麻酔で意識朦朧としている中での

 

「無事に終わりましたんでーー」というセリフ

vs-cancer.hatenablog.com

 

その余裕な感じまで

またチャラくて

 

もはやカッコ良かったな

 

 

果てしなく遠い

 

先生方は

主治医の先生を筆頭にチームで動く

僕に対して

10か月の中で多少の変動はあったものの

4人チームで動いてくれていた

 

初めて出会った頃は

研修医だったA先生

 

こいつばっかしは何度ひっぱたこうかと思ったことか

最初、数回点滴の針を入れてもらったのだが

下手過ぎてしばらくNG出したもんな

今思えば

それも懐かしい

 

最終的には

ある程度安心して任せられるようになったし

偉そうに言わせてもらえば

これからも頑張ってほしいと心から思う

 

 

それから

基本的に僕のほとんどを担当してくれていたO先生

 

真面目で優しい人柄が表に出てて

仕事も説明も丁寧

 

僕が入院してる間に

彼女にプロポーズしてたな

結果を聞いて

僕までなんか嬉しくなった

 

僕のことを

うるさい患者だと思ってただろうな

 

ご迷惑おかけしました

 

 

最後にS先生

 

この先生は

他の患者さんの主治医とか手術もしてるから

たぶん補助的な感じでいるんだろうな

 

まともに会話したのが

去年の9月末くらい

それまで約5か月くらいはなんだったんだと

 

会話したらしたで

スゲェ面白い人だった

 

 

だのになぜ

 

忘れちゃいけないよ

 

ていうか

 

死ぬ寸前まで忘れないだろうね

 

看護師さん達

 

スゲェかっこいいし

本当に大変な仕事に間違いない

 

話し相手から

下の世話まで

 

他のフロアも何度か行ったけど

お世辞を言うわけではなく

泌尿器科の看護師さん達がぶっちぎりで良かったし

なにより大変だと思った

 

世間では

若い子達のことを

「ゆとり」だなんだって言ってるけど

 

看護師さん達の仕事を見てみろよ

「ゆとり」もクソもないよ

あ、クソの世話はあるか

 

もっと尊敬されるべき仕事だと

心から思ったな

 

将来

うちの子達が

看護師になりたい

または

看護師の彼女を連れてきたら

 

全力で応援してやろう

 

まぁ

ないと思うが

 

 

歯を食いしばり

 

去年の4月から

約10ヶ月の入退院

そして手術

 

濃厚な1年だったぜ

 

僕の癌はなくなったのかって?

 

そいつぁ

僕にはわからない

 

ただ

 

もし

転移や

残っていたとしても

 

 

あたし

 

負けないんだから!!

 

つか

 

負ける気なんて

さらさらないぜ

 

ばっちこいだぜ、ばかやろう

 

 

しかし

 

看護師や先生に会いに

 

また

たまに入院させてくれねぇかな

 

それくらい

居心地の良い所だったな

 

本当に

ありがとうございました!

 

 

術後の抗がん剤の巻 ~完~