第11話 三度の飯より、五度の飯が好き ~正直者のデブは憎めない~
こんにちは
4月に、生まれて初めて入院したわけですけど
さすがに、この歳になると
入院してる人のお見舞いは何度も行ったことあるわけで
ちょっと羨ましかったりするわけですよ
怪我や病気だから入院してるのはわかってるんだけど
そこは抜きにして
テレビ観たり、DVD観たり、読書したり、絵描いたり
ご飯は3食出るし、ゴロゴロできるし
夢のような世界じゃないかと
で、実際に入院してみて
早いもので6ヶ月
しかも今回の入院なんて
これを書いてる現時点で
40日以上経つわけですけれども
、、、つまんねぇぇぇぇぇーーーー!!!!
騒げないし
酒飲めないし
勝手に外出できないし
食事はヘルシーだし
あまり美味しくないし
今回の入院に関して言うなら
半分以上死んでたし
まぁ逆に
普段の生活がどれだけ幸せか
周りの人達がどれだけ大切か
嫌というほどわかった
だから
早く解放してくれぇぇぇぇぇーーーー!!!
僕、九尾の力解放しちゃうよ
あー管の本数でいうと
六尾か
はじまります
ハイペース
9月16日(月) 術後5日目
なんだか久々にのんびりした一日だった
痛み止めの時間配分もうまくなってきて
痛みもだいぶ楽になってきた
歩行訓練も
すり足だったのが、両足裏のマメが潰れた人の歩き方くらいになり
歩くスピードは、隣のベッドのおじいちゃんくらいから、前のベッドのおじいちゃんくらいになった
目標としては、廊下でたまにすれ違う、隣の部屋のおじいちゃんくらいのスピードになりたいところだ
なんにせよ
大きな前進だ
夕方
先生から
また嬉しいニュースが飛び出した
飲水の500ml制限解除と
明日の朝から、食事スタート
術後経過としては
順調過ぎるくらい順調ということだった
一流
9月17日(火) 術後6日目
昨日の夜から
楽しみ過ぎてなかなか寝付けず
全然寝付けなかったのに
6時に起きた
自己啓発本によく書いてある
「できる男は早起き」説
まさに今の僕のことじゃないか
朝ごはんのために
万全の準備と心構えで望もうとしている
くそ
まさかこんなタイミングで、こんな自然に
一流のビジネスマンの気持ちがわかってしまうなんて
俺ってやつぁどこまで完璧なんだ、、、
時間
6時45分
さあ、時は満ちた!!
心ゆくまで楽しもうじゃあないか!!
朝ご飯の時間になると
放送が流れ、歩ける人はそれぞれナースステーション前に取りに行く
僕はまだ歩くのがやっとということもあり
病室まで持って来てくれる
、、、来ない
、、、というか放送が流れない
最上階、19階から順番に食事は運ばれていくため
たまに遅れる時がある
7:00
、、、遅い、遅すぎる、、、
、、、嫌がらせか?
久々のご飯でウキウキしている俺への嫌がらせなのか!?
怒りを爆発させようと
ナースコールを手にしたその時
まるで走馬灯のように
そう、過去の思い出がスライドのように
次から次へと浮かんできた
、、、朝ご飯の時間て
7:45やん、、、
美味
きた、、、
とうとうきた、、、
重湯に味噌汁、野菜ジュースに豆乳、そしてお茶
手術2日前、9日の昼ご飯を最後に食を絶ち
なんとも8日振り
詳しくは7.5日振りか
重湯からとはいえ
食事ができる喜び
一時退院している時
「人生で一番美味しかったもの」というテーマで
街角インタビューしている番組を見た
1人の女性が
大人になってから手足口病にかかってしまい
喉まで腫れて、3日間食事ができず
やっと口にすることができた重湯の味が忘れられないと
あの時の重湯が今までの人生で一番美味しかった
と言っていた
、、、8日振りですよ
、、、僕なんて8日振りですよ
あの女性の倍ですよ倍!!
美味しい重湯なんて想像がつかない
重湯が美味しいなんて考えたこともない
むしろ重湯なんて、不味いけどしょうがなく食べるものだろう
でも
今ならわかる気がする
3日振りの水は
まさに神の雫だった
8日振りの重湯は
想像を絶するのだろう
ゆっくりと
ゆっくりと
スプーンで重湯をすくう
匂いを嗅ぐ
ほぼ無臭だ
ゆっくりと
口に含み
口の中で転がし
じっくりと味わ、、
、、、まずっ!!!
あぁ、、、、、、
これ、、、
重湯だ、、、、、
つづく
P.S.味噌汁と野菜ジュースは想像を絶する美味しさだったので満足です☆